公演のない期間、ティーファクトリーの出来事&製作者のよろよろぶりをお届け!

西新宿よろよろ日記

April,2006 Vol2

月一回更新予定(目標!)です。お楽しみに〜

桜に心惑わされるこの季節、

どうにもこうにも惹きつけられて落ち着かない…

「桜が散っちまったなぁ」

「来年また咲くじゃない」

これは00年川村毅作「わらの心臓」の中の台詞ですが、かみしめるだにフシギな会話。

そういえば以前、90歳を越えたおじいちゃんに「桜が咲いたから見にいこうよ」と言ったら、

「もう長い人生の中でいっぱい見たから、いい」

と言うのには笑ったな。

来年また桜が咲きますように

 

+

歌舞伎町、というとどんなイメージでしょうか?

歓楽街、眠らない街、危険な街…?

いずれもその通りですが、ワタクシの実感として、この20年の間にも、めまぐるしく変化した生き物のような街。えー、ワタクシが年をとって、もう、風俗スカウトに声をかけられない、なんて「変化」はおいといて(もっとも今は条例で禁止)、一時期、新種やら外来種やらの躍進で生態系が破壊され、在来小動物たるワタクシには生息しづらい時期もあったのですが、何やら再びイイカンジの空気です。

もともとは歌舞伎座を誘地するために名づけられたこの街。

コマ劇場を中心に映画館が立ち並ぶ、文化の街でもあるのです。

そこで今推進されているのが、文化関連事業を歌舞伎町で!

という一大プロジェクトなのです。

ギャラリー、店舗などを巡る

熱気のまだ残る、元・グランドキャバレー

「新宿八犬伝」について、もはや皆々さまに説明が必要ですね。

全五巻完結予定、85年〜91年に第四巻まで発表している作品です。(91年当時、川村は「やっぱり十巻までやるかも!」とインタビューなどで答えたこともございますが…)

『里見八犬伝』に想を得た、歌舞伎町を舞台に闇の八犬士が暗躍するという物語。

85年歌舞伎町のど真ん中のライブハウス・ACBホール(今はビリヤード場)で、「第一巻 −犬の誕生−」を発表。この時施行された「風営法」を色濃く映し出していました。

この作品で26歳の川村毅は第30回岸田國士戯曲賞を受賞。

同年、当時はまだあったベルリンの壁が時空をワープして歌舞伎町に出現するという「第二巻 −ベルリンの秋−」も発表。

この二作は90年に同じく歌舞伎町のど真ん中のシアターアプルで再演しました。

「第三巻 −洪水の前−」は91年。都庁が新宿に移転する時で、ちょうどこれまた歌舞伎町のど真ん中にあった、古色蒼然たる都立大久保病院(今はすっかりキレイな健康施設ハイジアに変身)のトイレが都庁に繋がっているという話。

「第四巻 −華麗なる憂国−」91年。当時すごい勢いで増えてきた外国人労働者と憂国の士と、当時の社会党よろしき女性党が銭湯で云々する話。

以上はシアターアプルで初演。大阪、名古屋、仙台、水戸でも上演しました。

以上、とってもいいかげんな説明で失礼します〜(こうして説明するととってもバカバカしい話に)

ぜひ、

未来社刊「川村毅第二戯曲集(第一巻・第二巻収録)」

「新宿八犬伝U(第三巻・第四巻収録)」

お読みくださいませ…

では第五巻は?!

「次に歌舞伎町が動いた時に」と川村は答えてきました。

では…いよいよ…??!

見学ツアーには、新聞・テレビなどのマスコミ関係の方も同行。

川村もインタビューされて、「新宿八犬伝 第五巻」についてとうとうと語ってますけど…

このシリーズは、

「八個の玉が光り宙に舞う」とか、

「八犬士の一人、情児が天空に去る」とか、

「劇中劇の一座による巨大紙芝居の場」とか、

はあぁ〜?!なスタッフ泣かせのト書きてんこもりで、まずは相当のキアイが要るのであった。

まだもう少し先です。お楽しみに〜

+

新国立劇場公演「カエル」観劇

中国から来日の劇作家・過士行さんと再会!

左より 日中通訳さん、舞台美術・加藤ちかさん、過さん、川村

昨年、フランスでのムッソン・デテ リーディングフェスティバルで一週間共に過ごした過さん。

こうして再会、嬉しいですね。

ちかさん 私はこの人の劇団だったんですっ(大声・地声)。
川村 それじゃ分かんねぇよっ、劇団員だった、だろっ(大声・地声)。
通訳さん えーっと……。
過さん ……(にこにこ)。

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哀藤&遠藤、アデレードより無事帰国

「ロスト・バビロン」アデレード公演に参加した二人。

レポートはこちらをご覧ください。

それにしても久しぶりにこの二人と飲んで、相変わらずミルク飲み人形の如くビールをがぶがぶ飲み続ける哀藤と、劇団から離れのびのびとした遠藤の弾丸トークに、ヨカッタなぁとしみじみしつつも、小さな目を丸くした一夜でありました。

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中村 崇 、オトナになった。

仙台出身、25歳です ヨロシク!

ハタチの頃劇団にやってきて、その年上演した「4:48サイコシス」では『男(医師)』役で初主演にて初舞台。しかし早々に現体制となってしまったので、一緒に作品を創る機会を逸し、心の隅で気掛かりだった、おーい中村くん。

ぴったりの役があったのでオーディションに出してみました。

手元にある写真がお子様のようだったので新しい写真を用意。

「あら〜 写真で見るとオトナになったのねぇ」

「僕も毎年成長してるんですっ」

劇団は一応二年在籍して劇団員、ということになっていたので、第三エロチカ連名には載っていませんが、他にも色々。

業界の皆様、ぜひお声掛けくださいませ。

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ほんとに「よろよろ」日記になってる…

中学バスケ部以来だ。

軽量自転車マイルくん(ANAのマイル貯めて頂いた)と軽量のワタクシは、歩道への段差を乗り切れず、ぽーんと跳んだ。本当にスローモーションのような光景の記憶。

暫し動けず、路肩で丸くなって考えた。

その日予定外の用事が出来、いつも通らない狭くて交通量の多いその道をなぜか進んでこうなった。

これは不運というのだろうか。

しかし反対側に跳んでいたら、すぐ後ろからきたトラックに轢かれていたかもしれない。

これは幸運なのだろうか。

何はともあれ……、

色々あちこち治りが遅いのであります。

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yoshiko hirai,producer

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