May 2005

*「フクロウの賭け」News!5月号は独立新企画「フクロウの賭け」News!7月号に引っ越しました

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みなさま、如何お過ごしですか?

ティーファクトリー次回公演は2006年2月。

公演がない期間、でもなぜかとっても暇だという感じもなく

ゆっくりじっくり公演準備中のこの期間

「今月のティーファクトリー」をお届けしてみることにしました。

毎月1日更新予定。お楽しみに〜

西新宿の桜

西新宿の桜。都心の桜はどこかいたいけ…

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April 2005

5月カレンダー

今年の桜はたっぷり堪能できましたね。

以前、桜の名所の近くに住んでいたことがあります。

一年ほとんどの時間を「桜じゃないもーん」というカオをしている木々が、
ある日突然夢のように花に包まれて、沢山の人に愛でられ大騒ぎされ
て、またすべて去ってゆく……。

「ヨカッタねぇ」とまた知らんぷりの幹をぽんぽんとたたくのが好きでした。

ワタクシ今年はちょっと贅沢に「京都お花見デビュー」!

「よろよろ日記」ですから、桜の森の満開の下、ということで…(?)
…京都の桜はなんだかコワイ。歴史の中に息づいてきた物の怪みたいな。

醍醐寺のあの世のような山桜が突風で舞い上がる中に佇んでいると、
すべてがぼんやりとした心持ち。

清水寺

二条城

絵葉書のような清水寺

母校の修学旅行生に遭遇!

二条城のライトアップ。この妖しい美しさ、

言葉でも写真でも上手く伝えられず…

“制作者”は芝居を創る根幹ですから、出来るだけこうした豊かな時間を
取り戻しつついきたいと願うものであります…

しかし久々のお花見三昧、張り切りすぎて筋肉痛〜

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ペーター・ゲスナーさんと川村毅

「ねずみ狩り」は現在60歳のオーストリアの作家、P.トゥリーニの処女作。同作家の「アルペングリューエン」を00年世田谷パブリックシアター・ドラマリーディングで川村毅が演出した、ということと、03年「ハムレットクローン」ドイツツアーで訪れたターリアシアター・ハレーにかつてペーターさんがいた、というご縁から呼んでいただきました。

ペーターさんのいた旧東独では、観客挑発、全裸ありのこの作品は上演禁止。ペーターさんが22歳の時、住んでいたライプツィヒにトゥリーニが来て講演をした時に作家自身のリーディングによりこの作品を初めて知り驚いたこと。20年経って念願かなって、しかも日本の地で初上演できたこと。日本とドイツと同時代同様な演劇ムーブメントがあったこと、などなどもっと聞きたい同世代二人のお話しでありました。

今月のクローズアップ

ペーター・ゲスナーさん

ペーターさん

ペーターさんが日本に来たのはいつですか?

壁が崩壊してから二年後。

旧東独・ハレーのターリア劇場にいて、20代勉強中だったから、舞台スタッフや俳優やなんでも色々やっていて、皆が助けてくれたから演出もできるようになってそれなりに評価されてきていたの。

だけどとても心苦しいような思いがしていたのは、観客と自分が、同じ知識しか持てないんだよね、旧東独では。演出家はもっと多くを識っていて提示すべきものでしょ。

それと妻が博士号の勉強中だったんだけど、旧東独ではその勉強ができる人は例えば20人しかいないの。要するに20人分仕事が約束されているのね。それが統一されていきなり2020人が仕事を競いあうことになって。デモに参加してキャリアを失った、というどうしようもない皮肉な現状だったの。

ハレーで作品を創っていて不自由と思ったことは?

まずはとにかく駆け出しだったから、なんでも自由じゃないけど(笑)。

それと旧東独、その中で生まれ育っているから検閲があっても上演禁止される作品があっても、それが普通と思うものなのよ。

(そうだね、ヘンなこと聞いちゃった)

ターリアシアターは伝統を感じる良い劇場で、スタッフの皆さんもとても優秀でした。でも最近若者が劇場から離れてしまっているんですって……。私達の「ハムレットクローン」はフェスティバルの作品として、今は廃屋みたいになってしまった団地街の地下鉄駅で上演したの。この駅は知ってる?

勿論! その団地に泊まったんでしょ、タイヘンだったね!

そう、でもあの団地、僅かな家賃で国民全員に住居が支給されてるってことが旧東独の誇りの象徴だったんだよね。

私がいた頃のターリアは、特に検閲前のタブーであろう芝居の試演とかは若者であふれてて満席だったな。みんな仕事がないから離れていってしまうんだよね……。(寂しそうな顔)

その団地、国家的な盗聴の巣窟だったんでしょう? そして、今も出て行くこともできない人がいるのが問題なんだって聞きました。

それはそうね。そう……、久しく行ってないなあ。

ところで何故日本だったの?

どこへでも行ける国に生まれていたら、日本と思わなかったかもしれないね。とにかくそういう状況だったから、国を離れよう、全く違う文化のところへ行きたくて、南アフリカか日本、と思ったの。

縁あって北九州に住むことになって、とっても良かった。とても住みやすくて良いところ。東京は正直言って好きじゃない。人が住むところじゃないよ、そう思わない?

私も東京で生まれ育ってるから、これが普通と思うものなのよ。

おや、ごめん!

いえいえ……、そんな素朴なことかも知れませんねー。

ぜひこれをご縁にまたお会いしましょう!

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ペーター・ゲスナーさんとうずめ劇場の詳細は

http://www.uzume.org

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4月の観劇diary

「コミュニケーションズ」新国立劇場
文学座のベテラン、神保共子さんがはじけててちょーびっくり。イメージ一転。

「ねずみ狩り」うずめ劇場
「静かの海」山口健児舞踏公演

「Hay!Sey!ルー」恵比寿エコー劇場
伝説のルーさんの海パン観れました!

「キッチン」シアターコクーン
「源氏物語」白石加代子一人語り

Movie「コーヒー&シガレッツ」ジム・ジャームッシュ監督
ジャームッシュだけは要チェック☆

5月の観劇予定
「A Number」tpt
「笑顔の行方」シベリア少女鉄道
「メディア」シアターコクーン
「いとこ同志」まつもと市民芸術館
「ぬけがら」文学座アトリエ

「EL TOPO vol.3 」http://www.el-topo.com/
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今月の超ワタクシ事

地元の幼稚園・小学校と八年間同じクラスだった唯一無二の友の結婚式。

小学校以来の友も来ていて……、懐かしいというよりオソロシイ。

スイミングスクールへ行くバスで床を転げ回って遊んだり

近所の廃屋で探検ごっこしたり

大通りの騒音測定器の前でみんなで叫ぶと数値が上がるのに大喜びしたり

もれなく見知らぬ大人に怒られたけど

子供の頃ってなんであんなになんでも楽しかったんだろうねぇ

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yoshiko hirai,producer

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2005年4月

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