「フクロウの賭け」稽古場から

『フクロウの賭け』

作・演出:川村 毅

●出演

手塚とおる、高橋かおり、飯尾和樹(ずん)、

伊澤 勉、笠木 誠/江守 徹

2006.2.9-19
シアタートラム

「フクロウの賭け」稽古場から 第9回

時々、レポートをサボる癖があります。

福田福朗です。

前回は、イトコのフクロスキーが、とんだレポートをしていて仰天してしまいました。

……訂正。鳥肌が立ってしまいました。

鳥肌が立つといえば、最近、寒いですよね。

「寒い」というか、風が冷たい。

天気は悪くないのですが、どうもこうも過ごしにくい毎日です。

その分、稽古場は、熱気であふれています。

それもそのはずで、気が付けば、もうすぐ初日。

稽古はいよいよ佳境を迎えました。

これまで一人ずつ役者さんを紹介してきました。

ラストは、やはりこの人。

……訂正。トリは、この人。

江守徹氏です。

この作品の鍵を握るのが手塚さんだとすれば、江守氏は作品の骨格をつくる、まさに柱。

徹VSとおるの対決は、私の動物的本能が動くほど、刺激的です。

あぁ、そういえば、神なき国の夜シリーズの前作『クリオネ』にでていたルー大柴さんも本名が大柴とおるらしいです。

となると、来年の神なき国の夜シリーズの新作も、とおる?

……違うか。

江守氏は、時に淡々と、時に力強い演技で魅せてくれます。

演劇など見たこともない私にも、はっきりと分かるその実力。

おなじみの渋い声で語られる台詞は、カワムラさんの世界観を、しっかりと描きます。

アドリブをいれるお茶目な部分もあり。

その演技幅の大きさには、流石の一言に尽きます。

そして、通し稽古が終わり、本日も稽古終了。

まもなく『フクロウの賭け』の初日の幕が…賭け。賭け

そう、私は「フクロウを賭け事の対象にするべきではない」と提言しようとカワムラさんに……。

しかし、ある問題点が浮上したのです。

私はそれに気付かないふりをしていたのです。

すなわち。

「『フクロウの賭け』という作品は、別にフクロウのギャンブルを扱った作品ではないということ」

お恥ずかしい。

あらすじぐらい読んでおけば良かった。

飛ぶ鳥、あとを濁しすぎです。

……どうしよう。

by時枝正俊

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