彷徨とは精神の自由を表す。
だが、そんなものが可能かどうかはわからない。
ただの散歩であってもかまわない。
目的のない散歩。
癇癪館は遊静舘に改名する。
癇癪は無駄である。
やめた。静かに遊ぶ。
そういった男である。

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■八月某日

No.741

ブラスターワーム、駆除のためがたがたぐだぐだPCと格闘する。

接続するとシャットダウンしない。それでこの日乗を今書いている。

駆除が成功したのかな。いずれにせよ、明日、持っていきます、よろしく、さすらいの遊び人さま。

■八月某日

No.742

前回書き忘れたことで、プライドの感想、あったあった。

リングサイドのゲストは例によって格闘技番組がいつもやる、小池栄子、長谷川京子というわけのわからない人選なわけだが、桜庭がKOされたときにはハセキョウが涙ぐんでいるのをアップにしたりと、やたらとハセキョウ寄りで小池の立場はどうなるんだ、と社長の野田義治の代わりにいっておく。まっ、どうでもいいけど。ってこの言い方はナンシー関の影響ね。

池袋の岩淵先生の仕事場で『ハムレットクローン』ドイツ公演用のドイツ語ナレーションを担当するクラリッサさんと、ドイツ語訳の打ち合わせ。

おふたかたのやり取り実におもしろく、観察してしまう。さすがプロ。

公開稽古。劇団員の演技、総じてよくない。観客がいて緊張しているのか、ドシロート丸出し。

さすらいの遊び人にPCのウィルスを駆除してもらう。

日々、せわしく、忙しく、映画を見ていないぞ、映画を。

■八月某日

No.743

三茶で早くも『KOMACHI』の稽古をする。

キェシロフスキの『終わりなし』を見る。キェシロフスキの映画は同じものを何度見ても飽きない。

帰りの西武線で以前遭遇したケータイ退治ジジイとまた会ってしまう。このジジイは電車で携帯電話使用への注意の放送が入るや否や「今の聞いたか、やめろよ、バカども」といきなり携帯使用者に毒づいていた。今回ジジイは座るや否や辺りを見回し、探してやがんの。そいでもってこの日は使用者がひとりもいなかったんだな。ジジイ、がっかりした顔してやがんの。このジジイ、八時か九時頃、高田馬場から乗って中井で降りる。張ってると会えるかもよ。

■八月某日

No.744

稽古。

ファスビンダーについての思索。彼の劇をやらなくては。

■八月某日

No.745

ドイツ語、ナレーションの録音。クラリッサと大山のスタジオで。順調に進む。

その後、稽古。

■八月某日

No.746

秋の現代能楽集の記者会見。世田谷パブリックシアターのロビーで。萬斎さんと麻実さんと。

バリの最終日、私が酔っ払っていたのはすでに周知のことだが、その夜、同部屋だった『屏風』の演出家フレデリックが人に語っていることによると、あんなに酔ったカワムラは初めて見たという。当たり前といえば当たり前で年中大酔いだったらこまりもんだ。随分フレデリックとしゃべっていたらしいが、なにを話したのか記憶が無い。

しゃべっていて私は不意に「もうこれ以上英語しゃべれねー」と英語で言ってばったり寝入ったのだという。

稽古。

いいなあ、小泉、バイロイトでオペラかよ。

王監督のパロディ問題、騒ぐのおおげさ過ぎではないだろうか。有名人はパロられるのは仕方ない。悪口いろいろいわれるのも仕方ない。

自爆テロという報道の仕方は明らかに英米寄りの言い方だ。アメリカのやったことは空爆テロではないのか。公平を目指すなら自爆攻撃という言い方が正しい。

■八月某日

No.747

パブリックの技術者講座で演出について二時間講義。ぐったり疲れる。もっと普通の演出家のほうがよかったのではないだろうか。なんだかみんなポカンと口開けて聞いてるという印象がこちらにはある。初心者には凡庸が一番、なんてゴーマンかましちゃったりして。なんて古いね。

暑さでいらいらする。

まず大山のドトールの店員が頭にくる。大体以前からこの店の店員は総じてボケだった。

ホット・ラテをくれといっているのに、暖かいのですか冷たいのですかと聞いてくる。

テイクアウトで砂糖もふくろもいらないとあらかじめ告げてあるのに、いちいち聞いてくる。

マニュアルどおりにしか行動できないのだ。バカだ。考えたほうがいいぞ、ドトール。スタバとかなんだっけなんとかシエールとかのほうが接客いいぞ。

それとも大山のが特別バカなのか。

稽古場にピーターが遊びに来たので鏑屋でいっぱい。

その後の人身事故のせいで遅々としたダイヤに頭にくる。みんな暑いんだから、線路に飛び込むなよ。自殺すんならひとりでひっそり死んでくれよ。

■八月某日

No.748

サイコシス、初日開く。ほぼ無事。

私の仕事は終わった。

■八月某日

No.749

まったりと

おやつ食べたり

お昼ねしたり

あっ、入道雲といってみたり

ファスビンダーの『マリア・ブラウンの結婚』を見る。

■八月某日

No.750

舞台、快調。初日の出来より数段いい。

みんな、見てや!

■八月某日

No.751

中野の美容院へいってブロードウエイを横の路地を歩いていると、ひとりのおやじが正面で立ち止まって人の顔をじっと見、「おにいさん、テレビでマジックやる人だろ」といい、違うと手を振っても「そうだよそうだよ」とついてくる。怖くなった。でも誰と間違えたのだろう。ミスター・マリックか、まさかマギー司郎じゃないだろな。

青葉でラーメン食ってクラシックでしばしまどろみ、サイコシスを覗く。

金曜夜11時の『特命係長 只野仁』はこの曜日のこの時間に観るのに実にいい。適度にほろ酔いで帰ってきたときに観るのにちょうどいい馬鹿らしさ、エロっぽさ。そして『傷だらけの天使』のテイストもあり。思えば傷天も荒唐無稽だった。

一度あややが出てるなあと見ていた回があって、すぐにあややがオッパイポロポロ出すので、ありゃありゃなんだなんだと凝視した。後であやや似で今話題のAV女優高樹マリアと知った。

原作柳沢きみお。この人もどこかできれちゃったんだな。

番組はこの後、『あしたまにあーな』をはさんで『タモリ倶楽部』と絶好のプログラミングだ。

■八月某日

No.752

『ベロニカ・フォスの憧れ』、『リリー・マルレーン』を再見する。
■八月某日

No.753

千秋楽。

その後すぐに池袋で打ち合わせ。

深夜までドイツと最終のつめで侃々諤々。時差があるせいで。

■九月一日 No.754
『ハムレットクローン』、ドイツ公演のため、森下で稽古。

いろいろなゲラがどっと送られてくる。

■九月二日 No.755
稽古。

ゲラ・チェック。
■九月三日 No.756
稽古。

ゲラ・チェック。

■九月四日 No.757
稽古。

ゲラ・チェック。深夜まで旅の準備。自分のじゃないよ、公的な準備だよ。

■九月五日 No.758
父の命日。

稽古。

一斉にゲラ、送る。

最近とみにお調子者の武田が『どっちの料理ショー』の話をしていたので、なに対決だったのか聞くと、

「カルビうどん対じゃじゃ麺」という。で、「どっちが勝ったのか」「カレーうどん」とわけがわからない。

この男、この稽古の最中、ガートルードのことをガーターベルトともいっていた。

稽古、終了。

新宿で『HERO』見る。まあ、チャン・イーモーにとってはこの程度のエンタテーメントを撮るのは簡単だろう。もともとこういうのが一番合ってる監督だ。おもしろうございました。ワダエミの衣装いい。

みなさん、そういうわけでドイツいってきます。

モバイルもっていくから、ドイツ日記は逐次送信される予定ですが、いっつもホテルからだとうまくいかないので、そのときはそのとき。

気負いもなにもなし。まったくの平常心。

■九月二十六日 No.759
成田空港に朝着く。無事帰国。全員すこぶる精神的にも身体的にも健康。

ドイツツアーはほぼ成功と呼んでいいだろう。

詳細は彷徨亭特別編『秋のドイツ』で報告します。

この間四ヶ所のホテルからメール送信を試みたものの、不可能だった。私だけのことではないのですよ。回線がはなから無理なのもあったし、スタッフ全員だめだったのですよ。しばしいろいろやって研究する時間もなかったし、第一東京のことなんざどうでもよくなった。

とにかく何がどう成功であったのか『秋のドイツ』をお楽しみに。

遊静館に戻る。ヨーロッパと同じ気温ながら湿気のせいで東京は暑く感じる。

洗濯などなどしてからどっと寝てしまい、夕刻目覚め、これはもう時差ボケパターンの突入だ。

■九月某日 No.760
秋晴れ。幸いなことに時差ボケなし。

安倍が自民党幹事長か。原が辞任か。本当に野球ってつまらなくなったな。こうなったからには私がベイスターズを買い取ってオーナーになって、横浜コスモポリタンズというのを作る。

外国人ばっかで全然優勝狙わなくてベンチ裏で仲間割れで殺傷騒動とかしたり、ナンパばかりしてたりとか話題ばかり提供する球団。

そういえば離日前に『座頭市』を見た。おもしろかったよ。いいんじゃないの。六平が冒頭に出てきたと思ったらあっという間に殺されてやんの。

というわけで、いきなり、

『秋のドイツ・公演日記』

と思ったが、どうも書く気が起こらず、近所を散歩したらほんと秋晴れで気持ちよかった。ドイツの秋の気候とそっくり。

それにしても日本人とドイツ人の気質って似ているよ。アメリカ人なんか目じゃないほど本質的に似ている。頻尿族の私にとっては街角、店等々でのトイレ事情がいいのがうれしい。

というわけで、この日はサウナいってがんがん汗かいて戻ってきて、翌日書こうと思って起きたら次の日の夕方でやがんの。

13時間ぐらい眠ってしまった。

大学も稽古も始まるし、原稿の締め切りもあるしとぶーたれているうちに一日が終わった。

明日は京都だ。

しかし、ここ数日のうちに必ず『秋のドイツ』第一回が掲載されます。別の欄の特集レポートには写真も載りますので、この日乗とレポートの写真を併せてみていただければ、この秋、あなたは文化の雰囲気に包まれて、もう本当のドイツ通!

ぼくとあなたでダンケシェーン

君とわたしでビッテシェーン

ふたりそろえばチュース、チュース

とこれは滞在中わたしが作ったドイツ数え歌なのだが、これをハレのレストランで店の子供に向かって歌ったら、ひどくおびえていた。

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