第二回

4月27日(土)

巷ではゴールデンウィークの始まりの日。
でもそんなことは全くカンケーなく、森下スタジオでは
今日も稽古が行われていました。

役者さん達は、台本片手に立ち稽古に入っています。
穏やかに、和やかに、しかし静かな熱気に包まれている稽古場。
役者さんが上手いと、演出家に余計なイライラがなくて
和やかに進んでゆくのですね、きっと。
上手い、ということだけではもちろんなく、声の力、存在の力に
圧倒されてしまうのでした。勉強になります、ほんと。

「歌って。虹の歌」
毬谷さんの天使の歌声が
 稽古場に流れる。

 

■■ スペシャルインタビュー ■■

              小林勝也さんの巻 

小林勝也

研究所を経て'69年以降文学座に所属。数多くの舞台出演と共に、舞台演出、TVドラマ出演も多数。「女の一生」「ザ・ウィア−」等劇団公演の他、近年の出演舞台に「贋作・罪と罰」(NODA MAP)「蜜の流れる地」(遊園地再生事業団)「花よりタンゴ」(こまつ座)「貪りと瞋りと愚かさと」(THEガジラ)「マリアの首」(俳優座劇場)「少年H」「怒涛」「新・地獄変」(新国立劇場)「コミック・ポテンシャル」(松竹パフォーマンス)「天保十二年のシェイクスピア」(日本劇団協議会)等。昨年川村毅初の書下ろし文学座アトリエ公演「牛蛙」主演。

吉村  こんにちは。

小林 どうも。どうも。

吉村 えっと、稽古が始まって1週間経ったわけなんですけど、今の段階でのご感
    想などありましたら・・・。

小林 皆、言ってます。疲れるって。(笑)

吉村 (笑)。

小林 あの、時間短いけどムダな言葉がないっていうか。そういう意味では凝縮
    された非常に緊張した時間を過ごしてます。

吉村 川村氏とは『牛蛙』で、作家と役者という形でおつき合いがありましたが、
    今回、演出ということで何か印象は変わりましたか?」(※1)

小林 いや、全然無いです。印象変わった感じは。

吉村 和やかに・・。

小林 そうですね、と思います。ええ。でもまあ、始まったばかりだからこれから
    どうなるかわかんないけど。

吉村 そうですね。あの『牛蛙』の時の印象が強くて、悪い人というイメージが・・
    でもこうしてお会いすると全く違う感じで

小林 そうですか?

吉村 実際はどうなんでしょう

小林 片倉が知っているから、片倉に聞いて下さい。(※2)

吉村 わかりました。(笑)

片倉 ステージドアに出ている時みたいになってますよ。(笑)

小林 (笑)

吉村 では、最後にこの芝居にかける意気込みとか、今回の作品に関する事など
    ありましたら。

小林 そうですね、映画ってのは、僕らの世代は特にそうですけど、すごく映画しか
    娯楽がなかったみたいな時代に生まれてきたもんですから、最近あんまり観て
    ないけど(笑)、川村君と同じようにある種、映画少年だった時代ってのが
    あったんで、それが僕もまた好きなフィルム・ノワールの感覚というか『牛蛙』
    の時もそうだったんですけど、そういう感覚で芝居つくれるって事がとても僕
    は楽しみです。こんな感じで?

吉村 ハイ、ありがとうございました。

(※1)2001年12月 文学座アトリエ公演「牛蛙」(作 川村毅・演出 藤原新平)
    小林さんは主役の「男」を魅力的に演じた。
(※2)片倉裕介 第三エロチカ劇団員 元文学座研究生

  (後記) 
  稽古場でのジャージ姿も素敵ですが、私服に着替えられたお姿はまた一段と。
  舞台で拝見するのとは違った気さくな一面を見せてくださいました。

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