SAI STUDIO Weekend Theater #3
「クリオネ 第一幕・第一稿」

公演初日レポート

5月7日

ウイークエンドシアター「クリオネ 第一幕 第一稿」が無事初日を迎えました。

今回の公演の試みのひとつは「過程」をご覧いただくのいうもの。
各チームの週末ごとの変化、個々の成長を発見する楽しみもあります。

今回のレポートは日大芸術学部から参加の高升裕一さんと青木康浩さんにスポットを当ててみました。

お二人はBチームで同じ「真城」役を演じています。

青木康浩

高升裕一

Bチーム・ダブルキャスト「真城」役

レポート&インタビュアー 時枝正俊(日芸より演出助手で参加)

注目!日芸チーム

今回は演出助手の時枝がお送りします。

この『クリオネ』は日芸の役者にとって、今まで学生生活で送ってきた公演と全く違う意識にならざるをえません。理由は明確です。文学座、第三エロチカの重厚な役者達の演技を目の当たりにし、そしてそのプレッシャーの中で自分達も演じなければならないからです。

普段、日芸の学生は自分達で小屋を借りて公演を打ったりします。そこにはどうしても「学生だから」という甘さがでてしまう事が否めません。それを評価してくれる指針がないので、馴れ合いのままで終わってしまう事が多いのです。

だけど、今回は違います。稽古場で日芸チームは苦悩しています。経験も少ない、技術もまだまだ未熟だ。そんな若いぬるま湯な環境から、いきなり熱湯にいれられたわけです。もちろん文学座、第三エロチカの役者も当たり前のように努力しています。稽古場は三チームの役者の台詞で溢れかえっています。自己を鍛錬するためのワーク・イン・プログレスなのですから、みんな少しでも前に進もうと、とにかく台詞をしゃべっています。

そんな刺激があるせいか毎日稽古場にいる僕にとって日芸チームの成長には目を見張るものがあります。それはスタートが遅い分だけ、よりはっきりと実感できます。

高升&青木の、それぞれの「真城」

今回の『クリオネ』は、チーム内でもダブルキャストがあるのですが、日芸チームは三チーム中、唯一台詞の量が膨大な「真城」を高升裕一(今年度、演劇学科演技コース卒業生)、青木康浩(演劇学科演技コース二年)の二人が演じています。とにかくでてくるシーンが「真城」は断然多い。稽古時間は、三チーム同じなので、日芸チームにとっては不利な状況なのかもしれません。しかも戯曲で「真城」の設定は四十歳。二人の倍の年齢です。しかし、そんな逆境を少しでもはねのけようと、二人は必死に役にくらいつこうとしています。二人にインタビューを敢行してまいりました。

Q1 「クリオネ」に出演した動機は?

<高升>
川村毅の作品に参加できる。しかも、文学座、第三エロチカも加わるという。卒業してしまって自分の身になる場がなかなかないので、この企画はその絶好の機会だと思ったため。

<青木>
川村毅という名前に惹かれて。

Q2 「真城」という役柄に対して、どんなイメージを持っていますか?

<高升>
姿が見えたと思ったら消えてしまうこの一ヶ月間、一番気になる男。

<青木>
水。

Q3 演じていて難しいと思うところは?

<高升>
簡単だと思った事がない。

<青木>
自分の基礎が出来ていないところ。

Q4 他人が演じる「真城」を意識していますか?

<高升>
どの「真城」にも自分にないところがあるので、まるで宝船状態。

<青木>
意識してないです。

Q5 自分の「真城」のココを観てほしいというところは?

<高升>
僕にしかない「真城」を発見してください。

<青木>
長台詞。

 以上。短い質問でしたが、それだけでも二人それぞれの個性が見えてきます。そう、『クリオネ』の魅力のひとつは、なんといってもひとつの役柄を何人もの役者が演じている事。中には二役うけもっている人もいます。ひとつの戯曲がここまで違ったものになるのかと、日々良い刺激を役者陣からいただいています。

『クリオネ』ワールドでせめぎあう様々なカタチの演技。一見の価値があると思います。是非、劇場まで足を運んでください。

※高升裕一は14日、29日。青木康浩は23日。それぞれBチーム(日芸チーム)に出演となりました。頑張れ青木!

5月7日 初日! カンパ〜イ!!


初日を前にテラスで読み合わせ

Aチームのめんめん


初日終演直後

Bチーム
Cチーム

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